シン・ゴジラは野村萬斎だった! (すり足)

というのは今さら知った話で人ならざるもの威厳・恐怖等を与えるものということから、野村萬斎氏に白羽の矢がたったそうです。

(CGメイキング映像

確かに、能で扱われる題材は大抵、幽霊や妖怪などこの世ならざるものです。そういう視点で見直してみると、なるほど。その幽玄な動きは、未だうかばれず大地を漂う魑魅魍魎の怨念がゴジラという巨大生物に結晶したかのようで、そのキャスティングセンスに感心するとともに、現代劇にも通ずる能のもつポテンシャルに驚愕しました。
しかし、萬斎氏は狂言師なので、僕の壮絶な勘違いのはずです残念です。

ともあれ、すり足です。合気道も能や他の伝統芸能と同じく、足裏を地面につけたまま動きます。いつもの稽古でやっている通りなのですが、よい機会なのでその分子構造をひも解いてみることにしました。

■なぜすり足なのか
まず、なぜすり足をするのか?ということですが、合気道のやっていることはとどのつまり剣術です。従って、相手(もしくは自分も)は武器を持っている想定なので、バランスを崩して転げた場合、おそらく100%殺されます。そういうわけで、すり足で常にバランスを維持したまま動く必要があるのだろうと思います。ちなみに僕の知っている限り、寝技のある武器術は存在しません。

いわゆる現代の格闘技は基本的にフットワークを使用しますが、倒すことで勝負が決着しないからなのでしょう。また、リングの上で行われるので、地面の状態は常にフラットです。足場がボコボコの状態でフットワークを使うと、容易に足を挫くんじゃないかと思います。

またどうもフットワークの場合、動き出しが軸足が接地した瞬間になるため、動きを読まれやすいようです。PK職人と言われたサッカー元日本代表の遠藤という選手がいますが、彼はキーパーのフットワークを見て、その重心の位置に合わせてボールを蹴りこめたようです。

(見事なPKに、相手監督が笑っている動画

「では、すり足に!」

とならないのは、足首のバネを使えない分、飛ぶ距離が犠牲になるのでしょう。方向が合っていても、届かなければボールは止められません。

結果的にそれぞれが想定された状況でそれぞれの最良の選択をしているというというだけで、違いはあっても絶対的な優劣はない、、、という月並みな意見は付け加えておきます。

■効能
そんなこんなですり足ですが、意外な効能があるようです。それは大腰筋が鍛えられることです。どうも早く走れる選手はこの筋肉が発達しているそうで、短距離走に限らず、あらゆるスポーツで注目されています、、、、が、いかんせん、鍛え辛いらしい。

というのも、ついてる場所が背骨の内側から太ももの付け根というなんともマニアックなところで、動かそうとすると外側の表層筋が動いてしまいやすいから、、、とのことですが、すり足や、いつも口すっぱく注意する後ろ足の引付けなどは、効率的に鍛えられるそうです。

「早く走らんでええねん」

という方、おめでとうございます!人間、加齢とともに内臓が下垂するらしく、この下垂した内臓が膀胱を圧迫することが尿漏れの原因の一つのようです。大腰筋を含めた付近の筋肉を鍛えることによって、その辺りは改善する模様。また、下腹も引っ込んで見た目もよくなります。

その他、腰痛や生理不順にも効くらしいですが、どれも患ったことはないため実感はなく、詳細は専門家に聞いてください続きます。


雪山

2018年06月01日

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